行政の委託契約を継続せず、純然たる民間としての空き家再生活動にもどった件。
これまでの芸術村の活動を知る方々には概ね肯定的に受け止められましたが、あと1年の契約可能期間を残してやめたのは「無責任と受け取られる懸念もある」と一部の方からは言われました。
芸術村は、委託金をもらおうが、もらうまいが、千住地域の空き家再生に取り組むことに変りありませんから、税金をつかって1歩も前に進めないなら、税金つかわず地道に動いたほうがどんなにまともか。
何百万円もの多額の委託金をもらいながら、自らの交渉で空き家1棟賃貸できぬまま、さらに1年も委託契約をする方がよほど「無責任」。そう思いませんか。
もちろん、もっと能力のある別の企業団体が役所の指示通り動けば、うまくいくかも知れませんが、非力な芸術村は残念ながらその任に非ず。器に非ず。安易に委託金をあてにし官民連携に期待したこと、完全に間違いだったと深く反省しています。
では、なぜ役所の委託では空き家再生交渉が全く前に進まなかったのか。今でも真顔で聞かれることがあります。具体的な事例は長くなるので、おそれながら例え話をふたつ。
5mの縄につながれたまま、10m先の大家さんと交渉するような委託だからです。
じゃんけんをする時、1回ごとに何を出すのかいちいち役所におうかがいを立てなければならない委託だからです。
不自由きわまりなく、日に日に5mの縄が足にまとわり、委託開始直後から身動きとれなくなりました。
官民連携(PPP・Public Private Partnership)が流行のようだけれども、そもそも官(行政)が民間企業にお金を払って業務委託し、得られた実績はすべて行政に帰属する旧来の主従関係のもとでは、委託金が目あての企業はともかく、まじめに取り組もうとする弱小企業は金縛りに遭って疲弊するのがオチです。
という訳で、委託事業からの離脱が無責任だったかどうかは、以後の千住芸術村の空き家再生の実績を見てご判断いただければと思います。
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