【18】なぜ参政党は危険なのか?
- 加賀山 耕一
- 2024年6月2日
- 読了時間: 5分
更新日:2025年9月9日

参院選(二〇二二年夏)の百七十万票を見返すにつけ、たくまれた演説に酔い、発する言葉そのままを信じてしまった参政劇場初演は、教祖や幹部連中の思う壺に違いなく、これがヒトラーの手口の真似ごとで、いずれは国ごと乗っ取ろうとのご立派な画策なら、いまの時代、遅かれ早かれ墓穴を掘るだろう。
と、悠然と構えていた筆者の幼稚な予想に反し、党首その取巻きらの恐るべき野望は、日本版ナチスとも思える巧妙きわまりない世論誘導と党員信者の組織化により、二〇二五年の参院選14議席獲得という事態までもたらした。
参政党が厄介なのは、じつは風当たりの強いネットワークビジネスやマルチ詐欺を、いかに効率よく継続できるかを心底願う面々が達した結論が、「政党」を隠れ蓑にするビジネスモデルだったということだ。
もちろん幹部たる彼または彼女らは、演説パフォーマンスを重ねるうちに、自分たちが語る空論について、一般人よりは知識は貯まり、普通の政治家にも見えるであろうが、そもそも日本がどうだとか、政治がどうだとかは本質的な問題ではなく、世間さま(自民党に嫌気のさした保守層)に受けのいい理念や政策を作文し、それらしく見える演出がすべて。公約が実現できるかどうかなど、どうでもいいのである。
見たこともない選挙がらみの大芝居にコロリと騙され、一票を投じたくらいならまだしも、勢い党員となった者のうち、前述したカラクリに気づいた党員は早々に辞め、将来「おかしいじゃないか」と声を挙げそうな賢者には、「スパイ」や「工作員」といったレッテルを貼り、離党へと追い込み、従順な信者だけを残す手口を垣間見るに、まさしくカルトの組織運営そのものと言っても過言ではない。
選挙を通じた新たな信者獲得を見込む組織拡大策は、政党として掲げる政策実現のためではなく、各支部ごと信者にそれなりの役割を与える場作りであり、信者からお布施の代わりに党費を集める口実であり、政敵を提示し一層団結させる格好の舞台であり、やわい信者をベテラン信者に育てる都合のいい公的イベントと言ってもよかろう。
したがって国からも億単位の政党交付金(2024年は一億八千九百万円)が入り、党費がサブスクのごとく振り込まれてくる仕組みさえ出来れば、あとは教祖独裁、取巻きはおこぼれにあずかり、外部からの厳しい批判をも利用し内部を固めながら、全国津々浦々、生け簀不倫し放題という鉄壁の閉鎖組織が完成したという訳である。
ちょっと調べればボード幹部と某カルト教団とのつながりは明白ながら、いったん党員となり信者となった者たちの目には入らず、見ても見ぬふり。マルチやネットワークビジネスに手を染めていた経歴があろうと声も出さず、残った党員らは選挙運動に駆り出されては台本通りの奇声を上げるばかり。
宗教団体との関係が密なる公明党という国政政党もあるにはあるが、あくまでも政教分離の別組織である。いっぽう参政党は「政党」まるごとを宗教教団もどきに組織化し、情報を統制し、嵌まる党員を洗脳しながら信者に仕立てあげる斬新きわまりない手口を着々と実行しているとすれば始末がわるい。
宗教団体が先にあって、その後に政党を作るのではなく、今日の日本を憂い意を決して政治に参加しようという純真な国民を、党首に従順な信者にする策略をもってすれば、宗教にアレルギーのある人でも容易に騙され、その自覚もなく政党信者になってしまうのである。
いったん信者となった者たちは、ご多分に漏れず、いくら「騙されてますよ」と忠告しても、もはや聞く耳はない。公党、国政政党という錦の御旗をかかげる本部事務局の、それなりの方針表明や檄文ほか演説やパフォーマンスに「絶対的正義」を見、ついに我が神のみ尊し、批判する者たちをグローバリストの手先と見なして敵愾心をふくらませ、ますます団結は強まるのだ。
確信犯たる幹部にとっての「選挙」は、教団のPRの手段であり、もっともらしい公約によって悪業を隠せる一大イベントであり、地方議員も彼らの先兵に過ぎず、教祖ならびに取巻の金集めの、揺るぎないネットワーク作りに一時的にでも貢献させればそれでいい、くらいの扱いではないか。
「理念は素晴らしいので、今後よくなっていく可能性にかけて党員を続ける」などといった悠長な考えは、かつての筆者(私)そのもの、幼稚と言うほかはなく、教祖取巻幹部らの思う壺と言うほかはない。
「カルトだという証拠は?」との問いもよく聞く。
なに、演説内容ではなく、教祖や党幹部議員らが過去に何をやってきたか、そして、いかなる商材をどのようにいくらで売ってきたか、だけを見れば一目瞭然。
はたまた統一●会などの旧式カルトほか、スピリチュアルやマルチ組織とも、そりゃお互い契約書を交わしている訳ではないが、選挙応援ほか支部組織にも浸透、もちつもたれつウエルカム。善人をたぶらかし金を巻き上げる手口において親和性があるというより、そっくりではないか。
無名の詐欺師らが国政政党をつくるまでの最大の障壁は「国民からの信用」であった。
小銭は巻き上げられても、信用だけは彼らから最も遠い存在ゆえ、自身の手にはおえない。
そのため彼らは著名人(武田邦彦氏、赤尾由美氏、吉野敏明氏)を丸めこみ、俗にいう「広告塔」として選挙を戦い(怪しや教祖1位当選の密計もあってか)、そのおかげで1議席を得たのは、紛れもない事実である。
その後、恩人たちをそれなりに処遇するならまだしも、教祖1議席確保すればもう用済み、
信者党員をつかいデマまで流布させ三氏を追放パージするといった、およそまともな日本人なら思いもよらない醜い手口だけでも知れば、今の参政党がいかなる組織であるか明々白々なのだが、参政党はこれらの経緯が知れる動画等をさっさと削除し隠蔽、なかったことにしてしまうのだ。
党勢いよいよ拡大の流れを見るに、マスコミもこの組織が国政政党となった大元の「選挙サギ」に関して一切ふれず、もはやカルトやマルチと重ねて報道することはなかろう。
我々日本人は、令和の御代に前代未聞の、恐るべき国政カルト政党を誕生させてしまったのかも知れない。
●政治家が ウソつきサギをするでなく 詐欺師がつくる国政政党
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kindle版『参政党奇談』より抜粋
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